今回は「RG 1/144 ジオング」をレビューしていきます。
RGジオングは単体バージョンとファーストガンダム最終話のシーンを再現できる「機動戦士ガンダム ラストシューティング ジオングエフェクトセット」版の2種類が商品展開されますが、後者のエフェクト付きのDX版を見ていきます。
ファーストガンダムのラスボスだけあり、MGは2002年、HGは2001年と、どちらもシリーズ初期に商品化されており、インジェクションキットとしては久しぶりの新作となります(立体物としてはROBOT魂が2018年にプレバン限定で発売されています)。
最近の多関節構造を取り入れたジオングは何処がどれくらい動くのか?といったところが非常に気になるこのキット、可動部分以外も新しい要素はあるのかなどを詳しく見ていきたいと思います。
キットの正式発売は2021年の1月の予定ですが、2020年11月12日~15日に東京は新宿で開催されております、「GUNPLA EXPO TOKYO 2020」での先行発売の商品を使用していきます。
今回はモノアイなどの部分塗装だけ行い、リアリスティックデカールとスミ入れしてクリアコートで仕上げる予定です。
パッケージ&内容物紹介
パッケージデザインはRGシリーズの共通フォーマットですが、右側の全体像は静止した立ち姿ではなく、追加エフェクトを意識した躍動感のあるものになっています。
中央にラストシューティングのRX-78も追加されています。
通常版のボックスアートはどの様なデザインになるかも気になります。
側面も追加パーツの紹介に面積使っています。とにかく高さもあって箱が大きいです、我が家のストックで比べたところ「MG Hi-νガンダム Ver.Ka」と同じ大きさでした。
箱を開けたらこのボリューム!!
ガンダムタイプでないからなのか、イラストのタッチが少しいつもと異なる気がします。
最近の傾向で、取説に完成写真が少ないです。
拡張キット用の取説が別に付属します。こちらもモノクロ両面二つ折りです。
ランナー紹介
表記がないものは全てPS素材です。拡張キットの一部でABSが使用されています。ランナー表記も当たり前ですが基本「RGジオング」です。
Aパーツ イロプラ 濃いほうのブルー部分や胴体の黒、紫部分です。
Bパーツ RGお得意の「アドヴァンスドMSジョイント」によるハンドパーツです。
ランナー見る限り塗装派にはかなり厳しいつくりなような。ベース部分から指パーツ外せるのかは後ほど確認します。
Cパーツ ライトグレー スカートなどです。外装はちょこちょこアンダーゲート使用されています。
D1パーツ ライトグレー 手のひらや腹部です。
D2パーツ ライトグレー D1パーツとは一番上の1列だけ共有しておりますが、それ以外は別部分です。バウンドドックの時も見られましたが、ランナーの一部だけ共通でそれ以外は別部分といった新しいパターンです(たぶん)。金型技術がまた進化したのか!?
Eパーツ グレー 胴体部のフレームです。
Fパーツ グレー こちらは腰部中心と思われます。
Gパーツ グレー 2枚入っています。腕部のフレーム中心です。
Hパーツ グレー 2枚いり。 エンジン部分です。
I1パーツ グリーン バーニア部になります。
I2パーツ グリーン メインバーニアのもう片方です。
Jパーツ レッド 赤い部分一式です。
Kパーツ ライトブルー 胴体のグレーをツートンした箇所です。
L1パーツ オレンジ 腕のバーニア部です。
L2パーツ イエロー こちらも腕のバーニア周りです。
BA14パーツ グレー ディスプレイ用の支柱です。ノーマル版と拡張版で使用するパーツが異なるようです。
ACB-BAパーツ グレー まんまアクションベース5の台座部です。
ACB-5パーツ グレー アクションベースの支柱です。
リード線 黒2本、赤1本がはいっています。
リアリスティックデカール ラインマーキング多めです。
ここまでがノーマル版と共通の中身になります。
以下からはエフェクトセットで追加となっているランナーです。
XA1パーツ クリアイエロー メインバーニアのエフェクトです。
XA2パーツ クリアイエロー 微妙に最下段のパーツのみ変わっています。
XB1パーツ クリアピンク ラストシューティングのビームパーツです。
XB2パーツ RGガンダムに取り付けるパーツ群です。
CSB-1A・Bパーツ グレー 2枚入っています。ラストシューティング用の壁になります。
壁面以外はほとんど余剰パーツのようです。
I(エフェクト)パーツ クリア エフェクト接続用のパーツです。
J(エフェクト)パーツ クリアイエロー 2枚入っています。ビーム関連です。
SB6 クリアイエロー 細めのビームです。
各部組立
頭部
モノアイが首の左右の振りに連動して左右に稼働する(ザクVer.2.0と同じ感じです)ため、細かな部品が多いです。モノアイはガイアノーツのクリアピンクで塗装しています。
この状態で見るとショッカー首領の正体みたいな頭部です。
口のメガ粒子砲の砲門も別パーツで色分けされています。
RGではお馴染みですが、グレー部分は微妙に異なる二色のグレーになっています。
後頭部の脱出ハッチも開閉します。
胸部
この時点で必要パーツにはリアリスティックデカールを貼り、クリアコートしております。
撮影のために腰部との接続ピンを後方へ曲げております。
このフレームの状態ですと、脇腹のグレーのパーツは腕の付け根部分分解しないと取り付けできません。
胸のブルー部分もツートンカラーになっています。
成型色が美しく、つや消しコートだけでもきれいに仕上がります。
腰部
腰のメインブロック部になります。
メガ粒子砲の紫部分は光沢クリア吹いてます。それ以外はつや消しです。
メインバーニアの取り付け部分ですが、ロック付きのスイング機能があります。
取付穴下部のブルーのパーツを引き下げてスイング後に戻してロックする形になっています。
いつでも脚部追加できる構造になっています。
試しにRGサザビーの脚外して取り付け可能か試してみましたが、軸のサイズが異なり接続はできませんでした。
スカートの前半分のフレームとメインバーニアになります。
赤いリード線はメインバーニアのワッカ状のパーツ(右の下から二番目)に巻き付ける形になります。左上の組立済みバーニアでチラ見してます、円形状の赤い部分になります。
スカートの後ろ半分とサブバーニアです。赤い部分は半光沢クリア使用しています。
デザイン及び可動の肝となるだけあって、ジオングはスカート部分のパーツ数多いです。
スカート部のフレームは部品密度も高く、スカートの部分部分に本体とのロック機構などもあり、かなりワクワクする構造です。
エンジン部分などは丁寧に金、銀などのメタリック系で塗り分けしてあげると、かなり映える作りとなっています。
二色のグレーを活かすべく、裾の部分が分割されていたりと凝った作りになっています。
スカート7ブロックに分割されていますが、正しく組上げると、ほとんどすき間もなくきれいに組みあがります。パーツ精度の高さに驚きです。
腕部
腕は肩パーツ、腕本体とロケットパンチ部に分かれます。
上腕にはこの上からグリーンのパーツをかぶせる形になります。
今回のキットで一番物議を醸すと思われる手首です。
アドバンスドジョイントの恩恵で確かに組立はしやすいですが、指のグレー部分が関節のグレー部と一体となっているため外すことができません。
塗装を行うには気合のマスキングするか、グレーで塗って指関節部を筆塗りするか、どちらにしてもモデラー殺しな手首です。
ちなみに本体から指パーツ外せないかと試みましたが取れませんでした。
また、指パーツも完全な円筒ではなく、手のひら側は関節と可動と部品成型時に必要と思われる縦スリットがあります。
上腕の緑のパーツ分割がなかなか秀逸です。
作製途中で変更して前腕部の枠の薄い黄色部分はつや消し、4つの濃いほうのパーツは半光沢仕上げにしています。
指関節は全て第一、第二関節で曲げることができますが、武器を保持するのは難しそうです(勝手にパーフェクトジオング出た場合のヒート剣の心配)。
脚部
「あんなもの、飾りです。お偉方にはそれが分からんのですよ」
その他
ランディングギアの脚柱と、アクションベース用の取り付けパーツです。
左右の脚柱の裏側は肉抜きされています。
エフェクトパーツ
こちらはジオング本体用のビームとバーニアです。
ビームパーツで指関節が重さに負けないように、サポートパーツを手直平側に取り付けます。
RGガンダムに使用するパーツです。ダメージの頭部、左腕、ライフルしっかり握るハンドパーツがとなっています。
フレーム完成
襟元のみフレームが入っていませんが、それ以外は全てフレーム+外装の構造になっています。最近のMGよりもフレーム率は高いと思われます。
後から取り付けるのが難しそうな腹部と肩ブロックの外装は先に取り付けています。
メインバーニアも細かい色分けがされています。
モノアイは首と連動して可動します、左を向けば左に。
上方向へは頭部のレールパーツを外して行います。
肘は折りたためはしませんが、90度以上まがります。
ジオングの構造とデザイン考えると上出来かと思います。
水平まで腕も上げることができます。
頭部は首と襟元の可動軸で前後に大きく動かすことができます。
飛行ポーズを取るためにはこれぐらい必要です。
胸と背中のバーニア口もかどうします、メカっぽい動きがかっこいいです。
二軸ある腰の可動域も広く、大きく上半身をのけぞらせることができます。
腰は左右にも回転しますが、体側を伸ばすよな横方向への可動はできません。
スカートはブロックごとに大きく展開することが可能です。
シール、スミ入れ&クリアコーティング仕上げ完成
リアリスティックデカールはって、スミ入れとクリアコートだけで十分かっこいい仕上がりになります。
スカートの分割ラインもしっかりしてますので、汚し塗装で宇宙汚れにも挑戦いと思わせる一台です。
ギミック&可動
頭部フレームのレール部分外してモノアイを楯移動させることが可能です。
後頭部のハッチ開閉します、シャアがここから脱出!
胸のハッチは引き出して開く構造となっています。
首は首の付け根と襟元で稼働するので、前後に大きく可動域を確保しています。
前腕部が大きいので肘関節に干渉しますが、上腕側の関節の構造がうまくできており、90度以上曲げることができます、ジオングであれば十分かと。ちなみに上腕後側のグリーンの装甲はスライドします。
横へはほぼ水平まで上がります。
前腕外すとこんな感じです、中央の穴にリード線を差し込みます。
外装付けると左右のスイングは大きく制限されます。
前後への可動範囲はほとんど変わらずです。
外装付けてもスカート部は分割可動します。
スカート内のバーニアも前後へ可動します。
アクションベースの取り付けパーツははめ込み式です。
アクション
スタンドは標準的なアクションベース5に腕用のスタンドが2つ追加された形になっています。
上腕がスライドして、台座取付用の穴が出てきます。
腕を分離させて、リード線を差し込みます。
エフェクトパーツ追加すると迫力増します。
バーニア部のエフェクトも豪快です。
頭部単体です。こちらはビーム短いタイプです。
こちらは長いタイプです、頭部とスタンドの取り付けパーツがカッコ悪いです。
比較
息子の部屋でジャンクと化していたRGのRX-78発掘してきました。ジオングの脚無しでほぼ同じ全高です。知ってはいますが、改めて大型MSと再認識いたしました。
ラストシューティング
ガンダム単体だとこのような感じです、ビームエフェクトがはライフル先端に挿し込むだけです。
組み合わせるとこのようになります。ガンダムもビームは上の写真の爆風無しとの選択式です。
まとめ
今回は『機動戦士ガンダム ラストシューティング ジオングエフェクトセット』をレビューしてきました。
ジオング本体は久々のキット化でしたが、個人的には決定版ではないかと思ったほど、よくできてます。
プロポーションに肘やスカートの可動、成型色の発色まで高い次元でまとまっております。
また、ほぼすべての部分でフレーム再現されており、ザク2.0やガンダム2.0の頃のMGと同等の構造となっております。
近年のMGは作りやすさに軸足が移動して、フレームや内部構造の再現に重きが置かれなくなってきている分、RGに力が入っているのかとも感じました。
そんなジオングですが、手の指部分だけは、納得できない作りとなっています。アドバンスドジョイント採用されているため、関節部分のベースと指のプラ部分がくっついており、取り外し不可。指部分と関節部分を塗り分けるのは困難を極める構造となっています。
今回のようにクリアコートのみでの仕上どまりなら問題ないですが、全塗装する場合のいい方法がすぐには思いつかない感じです、来月以降のHJやMGでの作例を参考にしたいと思います。
最後にエフェクトパーツとラストシューティングセットについてです。正直なところ、本体単体でいいかなと思います。
ビーム&バーニアエフェクトはボリュームあってかなりかっこよいのですが、置き場所取るので、実際飾る段階になったら(我が家の場合)おそらく駐機姿勢。豪華なエフェクトも宝の持ち腐れになりかねません。
またラストシューティングセットですが、これを使用すると、せっかく良い出来のジオング本体がお蔵入りです、それはあまりにももったいない。
今回のレビューが終わったら我が家の場合はエフェクトセット&ラストシューティングセットはしばらく日の目を見ることはなさそうな予感です。
ビームエフェクトで豪華展示予定の方は迷わずセットですが、迷っている方は本体単体で十分かと思います、価格も4000円弱の差がありますし。
と、いろいろ申してきましたが、ジオング本体は間違えなくこの先10年以上は決定版として君臨出来る内容なので(MG2.0なんてのもあるかもしれませんが)、ファースト好きな方やシャア好き、サイコミュ好きはぜひ1台手に取ってほしいキットでした。
キットのグッドポイント
- スカート内部や腕部のフレームパーツのモールドが細かく素晴らしい。
- スカートの作りが精工で、きちんと組み立てれば隙間なし!
- 成型色もきれいで、クリアコートだけでも十分OK
- 可動もプロポーションも含めて、この先10数年(もっとか!?)はジオングの決定版とおもわれる。
キットの残念ポイント
- 塗装するな!と言わんばかりな、指のアドバンスドジョイント構造
- ビームエフェクトとバーニアエフェクトだけで良いような気も…
- エフェクト使用すると、展示スペースの確保が大変
- 前腕分離時にリード線を差し込むのがちょっと大変
- 台座関連で発生する大量の余剰パーツ(展示方法によっては台座自体もか?)
- 登場作品:機動戦士ガンダム
- 型式:MSN-02
- 名称:ジオング
- 搭乗者:シャア・アズナブル大佐
- 所属:ジオン公国軍
- 商品価格:9,900円(税10%込)
- 発売:2021年01月
- 積みプラ解消: -14cm(パッケージの高さだけで算出)