MG

MG Zガンダム（Ver.1.0）レビュー

2023年4月18日

今回のガンプラは「MG 1/100 Zガンダム」の俗にいうVer.1.0を素組でレビューしていきます。

最新のVer.kaの発売が間近に迫ったこのイミングで、Ver.1.0を再確認しておこうと思います。

機体紹介

もはや説明不要かと思いますが、「機動戦士Zガンダム」の主役機、ゼータガンダムです。

パイロットのカミーユ・ビダンが基本設計を行い、アナハイムエレクトロニクスで製作された機体になります。

可変機能を有し、MS形態からウェイブライダー形態へ変形し、単独での大気圏突入及び、大気圏内での飛行を可能にした機体になっています。

物語ではZZガンダムの第一次ネオ・ジオン抗争終盤まで活躍しました。

キット紹介

MGでは５番目に商品化された「Zガンダム」は1996年４月に一般店頭発売されました。それまでに発売されたのは、RX-78ガンダム、シャアザク、量産型ザク、G-3ガンダムといった内訳だったので、実質MG3機目といった状況でした。

完全変形を実現し、なおかつMS形態とWR形態を両立した、MGブランドの確立に一役買った、エポックメイキングな1台です。

目次

パッケージ＆内容物紹介

最近のキットにはないパッケージサイズ（310mm×240ｍｍ）です。
近年の物は長編の310ｍｍは一緒ですが、短編は190とか195mmが多いので、積んでいると微妙にはみ出てました。

側面はどちらもキット紹介です。この当時はディティールアップパーツ推しです。

側面はどちらもキット紹介です。この当時はディティールアップパーツ推しです。

初期のMGなので中ブタあります。珍しく裏面にも印刷されていました。どこにもクレジットありませんが、カトキ氏の設定画と思われます。

初期のMGなので中ブタあります。珍しく裏面にも印刷されていました。どこにもクレジットありませんが、カトキ氏の設定画と思われます。

中ブタも正面写真があるので、組立説明書は背面写真になっています。

中ブタも正面写真があるので、組立説明書は背面写真になっています。

表紙と中面はカラーですが、それ以外はモノクロです。設定・解説のイラストや文章がふんだんに盛り込まれていて、読みごたえがあります。
ただし組み立て終わってから気が付きましたが、メガランチャー付きのWRや、武器を保持した形でのポージング、MS形態時には中央線から離れて装備されているフライングアーマーなど、ネガティブ部分は何も掲載されていない組立説明書（＆パッケージ写真）でした。

ランナー紹介

ランナーはすべて新規で表記は「1/100 MSZ-006 ゼータガンダム」となっています。

素材はFパーツがABS素材、H1パーツとポリキャップがPE素材で、それ以外はPS素材です。

ランナー表示（AとかB１とか）が小さくて、最初のうち探すのに手間取りました。また、最近のキットと比較するとランナー１枚が大振りです。

Aパーツ　ホワイト　下半身の外装中心です。

B1パーツ　ダークブルーフライングアーマーやライフルです。

B2パーツ　ダークブルー　B1に収まりきらなかった分です。ゼータのサーベルは白じゃないのね。

C1パーツ　グレー　ランディングギアなどです。

C2パーツ　グレー　メガランチャーが目立ちます。

Dパーツ　ブルー　機体の青い部分がまとめられています。中央付近２か所にディティールアップパーツが配置されています。

Eパーツ　レッド　こちらも赤い部分がまとめられています。

Fパーツ　グレー　唯一のABS素材です。可動・関節部が中心です。

Gパーツ　イロプラ　クリヤーやイエロー、上半身のホワイト部になります。

H1パーツ　イエロー　可動アンテナ用の軟質パーツです。

H2パーツ　ハンドパーツのセットです。PS素材ですが柔らかめです。

Iパーツ　ダークブルー　スタビライザー本体です。マーキングプリントがされているため、ランナー独立しています。

PC-117　ポリキャップ　専用のもので種類が多いです。
ちなみに完成すると余剰ポリキャップなしです。

発光ダイオード　スタビライザーを点灯させるための発光ダイオードと配線、ビスになります。電池は別売りになります。

シール

乾式のガンダムデカールです。スタビのロゴも塗装時用に付属しています。

ホイルシール　色再現用になります。今回一部使用してみましたが、経年の影響か粘着力がかなり弱っていました。

マーキングシール　コーションマークなどがまとめられています。シールなので貼った後は少し目立ちます。

各部組立

頭部

頭部アンテナは可動用、固定用、変形時の固定用と３種類付属しております。固定用の２種は中央の赤い部分は塗装が必要です。

ツインアイはシール使用しましたが、粘着力が非常に弱っていて何とか固定し出来たといったレベルでいつはがれてもおかしくない状況です。

メインカメラ、リアカメラともにシールも用意されていません。

胴体部

変形機構があるため、胸部から腰部までつながっており、腰のスイングなどの可動軸はありません。右足付け根のボールジョイントパーツにあるロックピン、ゲートかと思い削ってしましました。あまりいないと思いますが、ご注意を。

MGシリーズの共通理念として、コックピット再現されパイロットも座っています。

サイドスカートは脚部へ接続、フロントスカートによる脚部付け根のロック構造はVer.1.0にも搭載されています（ロック部の面積小さめですが、おかげで何とかピン削ってしまった右脚も固定できてます）

変形するゼータは旧キットの1/100しか知らなかった当時としては、この胸部の仕上がりに度肝を抜かれた記憶があります。

変形するゼータは旧キットの1/100しか知らなかった当時としては、この胸部の仕上がりに度肝を抜かれた記憶があります。

スタビライザー

マーキングプリントに発光ダイオードと、新しい技術や楽しみ方が詰まっているスタビライザーです。

中央の合わせ目はそれなりに目立ちます。

フライングアーマー

なんとなくそれっぽいですが、翼部分やユニット本体の縁部分など塗装が必要です。
しかし、組立説明書の完成見本はこの配色のまま塗装されています。

腕部

ハンドパーツは可動指と平手、握り手の３種類付属。グレネードランチャーの発射機構も再現されています。

前腕中央部には目立つ合わせ目ができます。

足首

脚の甲も左右分割なので、中央合わせ目あります。

このまま脚部に組み込むので、完成後は足首だけ外すことはできません。

脚部

脚の付け根部分にサイドスカート接続します。
MGですが、フレーム+外装といった構造にはなっていません。

少し細長い印象の脚部です。ひざ裏のパーツは右脚が正解です。

少し細長い印象の脚部です。ひざ裏のパーツは右脚が正解です。

武装

こちらは標準武装、ライフルもシールドも伸縮しますが、ライフルにはストッパーがないので伸ばしすぎると銃身抜けます。サーベルの柄がグレーなのはちと新鮮。

ライフルの黄色い部分はすべてシールです。

こちらはグレネードとメガランチャーです。

メガランチャーのカラーリングは完成見本写真もグレーのままです。

ランディングギアです。左がメガランチャー接続時の物になっています。

今は失われた売り、グレードアップパーツです。

素組完成

胸のインテーク内にもモールドあります。

真後ろから見ると、フライングアーマーとスタビライザーの間がかなり空いています。

真後ろから見ると、フライングアーマーとスタビライザーの間がかなり空いています。

ハンドパーツの保持力が弱いため、ライフルはふらふらでいつ落ちてもおかしくない状況でした。

ギミック＆可動

あごを上げながらにはなりますが、水平方向は一周できます。

首は前後によく動きます。

首は前後によく動きます。

水平まで腕を持ち上げられます、少し短い印象です。

ひじはきちんと折りたたむことが可能です。

腕の付け根は固定軸のボールジョイントです。

ヒザは可変機の恩恵でよく曲がります。

足首の可動範囲は一般的な範囲です。

足首の可動範囲は一般的な範囲です。

ヒンジがありますが、変形用のヒンジになるので、MS形態としては固定軸ボールジョイント接続と同等になります。

ゼータの特徴の一つであるスタビライザーは設定どおりに可動します。

ゼータの特徴の一つであるスタビライザーは設定どおりに可動します。

接続部が左のようなポリキャップだけなので、フライングアーマーが正しい位置で保持できません。
仕方がないので軸にテープ巻いて補強しました。

接続部が左のようなポリキャップだけなので、フライングアーマーが正しい位置で保持できません。
仕方がないので軸にテープ巻いて補強しました。

サーベルの径よりポリキャップの穴のほうが一回りぐらい大きいため、スカスカで固定できません。
慌てて蓋閉める感じで収納します。

スタビライザー点灯します、ただしスイッチはoffにしても点いたままだったりと効きは悪いです。

スタビライザー点灯します、ただしスイッチはoffにしても点いたままだったりと効きは悪いです。

グレネードラックを前方へスライドすることで、グレネード本体も移動し、ハッチを押し開きます。

コックピットの開閉はMGシリーズ共通のギミックです。

それぞれの収納形態です、メガランチャーの両サイドのグリップカバーは（組立ミスの可能性があるぐらいの）ゆるゆるです。

アクション

ライフルは保持できないので、練り消しで固定しています。

サーベルは柄の凹凸があるので、保持できます。

脇に挟んで、銃身地面に接してバランスとって、やっと保持できます。

メガランチャーはこの持たせ方が一番良さそうです。

グレネードは無理なくきまります。

ウェイブライダー

ランディングギア付けて設置させると、荷重で本体たわみます。

中央部から逆への字になり、いつ崩れるか心配になります。

メガランチャー用のランディングギアも付属しておりますが、バランスが悪く自立できません。

こちらも何とか撮影できましたが、すぐに崩れるぐらい不安定です。

比較

MG初期のハイザックと並べてみました。ゼータの身長高いことを再認識です。

まとめ

今回は「MG Zガンダム（Ver.1.0）」をレビューしてきました。

発売から四半世紀経過しているキットであることに驚く部分と、納得する部分とが混在するゼータでした。

それまで可変するゼータガンダムのプラモは、旧キットの1/100しかなかった時代に、このMS形態時のプロポーションで完全変形を実現したことは衝撃だったことを覚えております。

実際変形機構の基礎やアイディアはこのキットで確立したものも多く感じました。

しかし、今回組んでみると、腰の可動が全くなかったり、ロック機構が少ないため、”ふにゃふにゃ”で形を維持するのが難しいWRや、ライフルすら保持できないハンドパーツ、ポリキャップむき出しのヒジや、目立つ合わせ目など、四半世紀後の目で見ると気になるところは山ほどあります。

このキットしっかり仕上げるには、それなりに時間と技量が必要かと感じました。

ただ、ガンプラの歴史を語る上では、外せないキットであるとは思いますので、機会があれば（現状、入手は困難）一度味わっておいてもよいと思います。

そこまで、時間も手間もかけたくない方は2.0やVer.kaチョイスでなんの問題ないです。

以上、「MG 1/100 Zガンダム（Ver.1.0）」のレビューでした。

キットのグッドポイント

MS形態とWR形態を両立した意欲作
立ち姿はかっこいい
テールスタビライザーの電飾は地味にカッコイイかも

キットの残念ポイント

武器が全く保持できないハンドパーツ
ボディ部分の剛性感ゼロのWR形態
荷重が支えきれないフライングアーマー接続部のポリキャップ

技術ポイント

ゲート：ノーマル
腕付け根：胴体側固定ボールジョイント
脚部付け根：胴体側固定ボールジョイント
関節構造：ヒジ（二重）、ヒザ（二重）、首（胴体側固定ボールジョイント）
クリヤーパーツ：頭部およびビームライフルセンサー、ビームサーベル
パッケージ：変形サイズMG
派生キット：ゼータガンダムコーティングバージョン

キットデータ

登場作品：機動戦士Ｚガンダム
型式：MSZ-006
名称：ゼータガンダム
搭乗者：カミーユ・ビダン
所属：エゥーゴ
商品価格：3,300円（税10%込）
発売：1996年04月
積みプラ解消： -8.5cm（パッケージの高さだけで算出）

MG 1/100 MSZ-006 ゼータガンダム (機動戦士Zガンダム)

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