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HGUC YMS-15 ギャンレビュー（HGUC No.002）

2023年11月26日

今回のガンプラレビューはファーストガンダムから「HGUC 1/144 YMS-15 ギャン」を素組で見ていきます。

キットは1999年発売のHGUCシリーズのNo.002となっています。なお、今回のレビューはREVIVE版ではなく初代型になります。おおよそ四半世紀前の商品をじっくり見ていきたいと思います。

機体紹介

ギャンはジオン公国軍の次期主力MSのコンペティションで、結果としてゲルググに敗れ、突撃機動軍のマ・クベ大佐の専用機として実戦配備されています。

なお、実戦での詳細は機動戦士ガンダム第37話「テキサスの攻防」で確認していただくとして、パイロットとしての資質に疑問符が付くマ・クベがニュータイプとして覚醒し始めたアムロのガンダムを一時は追い詰める働きを見せ、機体の優秀さを物語っていました。

また、本機は白兵戦に重きを置いた機体となっており、ゲルググとのハイブリット機ガルバルディ系や、ネオ・ジオンのR・ジャジャなどに引き継がれています。

キット紹介

キットは1999年7月に一般店頭発売、No.001ガンキャノンに続くHGUCシリーズの第二弾として早い段階でのHGUC化でした。また、個人的には二番目のチョイスが安易にガンダムやザクではなく、「ギャン」でした。そのことから、新たに立ち上げたHGUCブランドに対するバンダイの決意を当時感じた憶えがあります。

目次

パッケージ＆内容物紹介

パッケージはHGⅠ型です、また、ジオラマもしっかり作られている感じです。また、サイズは少し小さめです。

側面は機体紹介とキット紹介です。

側面は機体紹介とキット紹介です。

Ⅰ型なので側面（短辺）には機体イラストがありません。

組立説明書のフォーマットも今の物とは大きく変わっていません。ただし、サイズはこちらも少し小さめです。

組立説明書のフォーマットも今の物とは大きく変わっていません。ただし、サイズはこちらも少し小さめです。

機体解説文も多めです。また、デザインワークスはカトキ氏です。

ランナー紹介

素材はポリキャップ以外はPS素材です。表記は「1/144 HGギャン」となっています。今のキットとグレードとスケールが逆の表記になっています（最近はHG 1/144の順番）。

A1パーツ　イロプラ　胴体とビームのクリアー、シールドです。

A2パーツ　イロプラ　下半身の青い部分とバックパックなどです。

Bパーツ　ライトブルー　四肢と腹部のライトブルー部です。

Cパーツ　ダークイエロー　シールド中央部やサーベルの柄です。

PC-120　ポリキャップです。

シール

ホイルシール　モノアイとその十字部分、また色再現用は腹部のコックピットハッチのライトブルー部のみと少な目です。

各部組立

頭部

頭部は上下分割で下半分は前後へも分かれます。

モノアイはシール対応です。さらに十字部分のダークグレー部分にも黒のシールが用意されています。
また、側面の下半には合わせ目ができます。

リアのスリットも再現されています。

胴体部

胴体部は胸部から腰部まで一続きになっています。またスカート部も独立可動せず前後分割になっています。

腹部のコックピットハッチの色再現はシール対応です。

バックパックの取り付け部は今はあまり見ない角形です。

バックパック

前後分割の本体とノズル部分になります。

中央に丸形モールド入っています。

接続部分は板型差し込み式になっています。

腕部

腕部は肩ブロックと上腕が分割されていない驚きの構造でした。また、手首パーツは1軸接続とポリキャップの軸の可動のみになります。

予備の右手は接続部に角度が付いています。また手首の甲のパーツは右手は斜めに切れていますが、左手は水平で左右非対称です。

足首

足首は本体とソールのに分割です。そのため、つま先などの可動部はありません。

脚部との接続ボールジョイントの角度は水平に近い形になっています。

脚部

関節部のパーツはポリキャップのみです、そのため塗装時は頭を悩ませそうです。

太もももスネも中央に合わせ目がしっかり出ます。また、足首の位置がなんとなく中央からずれていて違和感を感じます。

ふくらはぎのモールドはかなり甘めで、ヤスリ掛けしたら消えそうです。

武装

シールドはモールドも含め造りはかなり良いです。また、ハイド・ボンブも4個付属しています。

HGUCシリーズ初のクリアーパーツ付属（といってもNo.002ですが）。

素組完成

ギミック＆可動

頭部は左右方向へ1周可能です。

前後方向へは思いのほかよく動きます。

前後方向へは思いのほかよく動きます。

腕はちょうど水平ぐらいまで上がります。

ヒジは約90度の可動範囲です。また上腕のすき間や接続部の面取りのズレが気になります。

腕の付根は可動せず、固定ピンです。

腰は微妙にしか動きません。

腰は微妙にしか動きません。

脚の付根部分から前後へ多少動きます。

脚の付根部分から前後へ多少動きます。

こちらも脚部と胴体の接続部で回転しております。
こちらも脚部と胴体の接続部で回転しております。

こちらも脚部と胴体の接続部で回転しております。
こちらも脚部と胴体の接続部で回転しております。

脚の付根はボールジョイントと接続ピンです。また、中央の接続軸で上記の様に腰の回転を再現しています。

ヒザは90度以上の可動域がありますが、スカートが動かないためももが上がりません。そのため脚を大きく前へ出すことはできません。

足首の前後方向への可動は最小限です。

足首の前後方向への可動は最小限です。

こちらは左右方向です。

こちらは左右方向です。

脚の付根の可動も接続部のボールジョイントのみです。希望としてはもう少し外側に開いてほしいと思います。

脚の付根の可動も接続部のボールジョイントのみです。希望としてはもう少し外側に開いてほしいと思います。

シールドのグリップ具は大きく可動します。

シールドのグリップ具は大きく可動します。

可動部が大きいため、持たせ方もいろいろ変更できます。

可動部が大きいため、持たせ方もいろいろ変更できます。

アクション

付属のハイド・ボンブはアクションベースに接続できる穴が開いています。
そのためディスプレイ可能です。

比較

ギャンの永遠のライバル、ゲルググとです。ゲルググも一年戦争のMSでは大型機の印象でしたが、それよりも全高はギャンの方が高いのが驚きでした。

シールドに対するの考え方も、全く異なっています。

後ろ姿もギャンはスマートです。

まとめ

今回は「HGUC 1/144 YMS-15 ギャン」レビューしてきました。

HGUCのNo.002の実力やいかに！？と思ってみてきましたが、キットの古さは隠しきれない部分が多々ありました。

第一に可動部分ですが、可動域のみならず、可動箇所の少なさはいたしかたないのかと思いました。肩ブロックと一体型の上腕や、上半身からつながっている腰部分、スカートが固定のため上がらないももなどが気になりました。

第二に部品精度が全体的に低めで、メリハリのないモールドや、微妙にできる段差やすき間、また、あちこちに散見されるヒケなど、当時の金型技術だと限界だったのかもしれませんが、やはり今の目で見ると気になる状況でした。

第三には当時の設計思想なのか、あるいは技術的な問題だったのかは不明ですが、ヒジとヒザの関節部分がポリキャップむき出しとなっている点です。塗装のことも考慮するとせめてプラ製カバーがあるとが望ましいと感じました。

しかし、そういった技術的に成熟していなかったためのネガティブ要素はありますが、全体の雰囲気やバランスなどは今見ても大きな破綻はなく、立ち姿はかっこいいです。

また、シリーズ初のクリアーパーツを使用したビームサーベルや、大型シールドを保持するための接続部の造りなど、HGシリーズ立ち上げ時の志の高さを感じられるキットでした。

以上、「HGUC 1/144 YMS-15 ギャン」のレビューでした。

キットのグッドポイント

立ち姿は今見てもかっこいい
シールド取り付け部分はホールド性、自由度共に高レベル
脚の接地性は高め

キットの残念ポイント

可動域、可動部数ともに少な目
ヒケやモールドの甘さなど、部品精度が低い
ヒジ、ヒザ関節部がポリキャップのみで目隠しパーツもなにもない

技術ポイント

ゲート：ノーマル
腕付け根：胴体側：固定ピン、腕側2軸ポリキャップ
脚部付け根：胴体側：固定ボールジョイント軸、脚側：ポリキャップ
関節構造：ヒジ（シングル）、ヒザ（二重）
クリヤーパーツ：サーベルビーム部

機体＆キットデータ

登場作品：機動戦士ガンダム
型式：YMS-15
名称：ギャン
搭乗者：マ・クベ
所属：ジオン公国軍
商品価格：880円（税10%込）
発売：1999年07月
パッケージ：HG Ⅰ型
積みプラ解消： -5.5cm（パッケージの高さだけで算出）

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