今回のガンプラレビューはファーストガンダムから「HGUC 1/144 YMS-15 ギャン」を素組で見ていきます。
キットは1999年発売のHGUCシリーズのNo.002となっています。なお、今回のレビューはREVIVE版ではなく初代型になります。おおよそ四半世紀前の商品をじっくり見ていきたいと思います。
機体紹介
ギャンはジオン公国軍の次期主力MSのコンペティションで、結果としてゲルググに敗れ、突撃機動軍のマ・クベ大佐の専用機として実戦配備されています。
なお、実戦での詳細は機動戦士ガンダム第37話「テキサスの攻防」で確認していただくとして、パイロットとしての資質に疑問符が付くマ・クベがニュータイプとして覚醒し始めたアムロのガンダムを一時は追い詰める働きを見せ、機体の優秀さを物語っていました。
また、本機は白兵戦に重きを置いた機体となっており、ゲルググとのハイブリット機ガルバルディ系や、ネオ・ジオンのR・ジャジャなどに引き継がれています。
キット紹介
キットは1999年7月に一般店頭発売、No.001ガンキャノンに続くHGUCシリーズの第二弾として早い段階でのHGUC化でした。また、個人的には二番目のチョイスが安易にガンダムやザクではなく、「ギャン」でした。そのことから、新たに立ち上げたHGUCブランドに対するバンダイの決意を当時感じた憶えがあります。
目次
パッケージ&内容物紹介
ランナー紹介
素材はポリキャップ以外はPS素材です。表記は「1/144 HGギャン」となっています。今のキットとグレードとスケールが逆の表記になっています(最近はHG 1/144の順番)。
シール
各部組立
頭部
また、側面の下半には合わせ目ができます。
胴体部
バックパック
腕部
足首
脚部
武装
素組完成
ギミック&可動
こちらも脚部と胴体の接続部で回転しております。
アクション
そのためディスプレイ可能です。
比較
まとめ
今回は「HGUC 1/144 YMS-15 ギャン」レビューしてきました。
HGUCのNo.002の実力やいかに!?と思ってみてきましたが、キットの古さは隠しきれない部分が多々ありました。
第一に可動部分ですが、可動域のみならず、可動箇所の少なさはいたしかたないのかと思いました。肩ブロックと一体型の上腕や、上半身からつながっている腰部分、スカートが固定のため上がらないももなどが気になりました。
第二に部品精度が全体的に低めで、メリハリのないモールドや、微妙にできる段差やすき間、また、あちこちに散見されるヒケなど、当時の金型技術だと限界だったのかもしれませんが、やはり今の目で見ると気になる状況でした。
第三には当時の設計思想なのか、あるいは技術的な問題だったのかは不明ですが、ヒジとヒザの関節部分がポリキャップむき出しとなっている点です。塗装のことも考慮するとせめてプラ製カバーがあるとが望ましいと感じました。
しかし、そういった技術的に成熟していなかったためのネガティブ要素はありますが、全体の雰囲気やバランスなどは今見ても大きな破綻はなく、立ち姿はかっこいいです。
また、シリーズ初のクリアーパーツを使用したビームサーベルや、大型シールドを保持するための接続部の造りなど、HGシリーズ立ち上げ時の志の高さを感じられるキットでした。
以上、「HGUC 1/144 YMS-15 ギャン」のレビューでした。
キットのグッドポイント
- 立ち姿は今見てもかっこいい
- シールド取り付け部分はホールド性、自由度共に高レベル
- 脚の接地性は高め
キットの残念ポイント
- 可動域、可動部数ともに少な目
- ヒケやモールドの甘さなど、部品精度が低い
- ヒジ、ヒザ関節部がポリキャップのみで目隠しパーツもなにもない
技術ポイント
- ゲート:ノーマル
- 腕付け根:胴体側:固定ピン、腕側2軸ポリキャップ
- 脚部付け根:胴体側:固定ボールジョイント軸、脚側:ポリキャップ
- 関節構造:ヒジ(シングル)、ヒザ(二重)
- クリヤーパーツ:サーベルビーム部
機体&キットデータ
- 登場作品:機動戦士ガンダム
- 型式:YMS-15
- 名称:ギャン
- 搭乗者:マ・クベ
- 所属:ジオン公国軍
- 商品価格:880円(税10%込)
- 発売:1999年07月
- パッケージ:HG Ⅰ型
- 積みプラ解消: -5.5cm(パッケージの高さだけで算出)